兄はいつも半袖半ズボンを着用している
流石に今は長袖を着ているが下は半ズボンである
右足を臀部から切断し 松葉杖で移動する
義足も作ってはみたが 臀部に褥瘡ができ諦めた
そんな兄だが事業所へ行く時はジャージを履く
普段 事業所ではジャージは禁止している
なぜなら就労支援の場なので
仕事に来る時の身だしなみを含め支援しているからだ
しかし 兄の場合は特別な状態であるために許可されている
3月に事業所で日帰り旅行が計画され
兄に確認すると「行く」と言う
普段 あまり人との関わりを好まない兄が
自分で行くと言ったのには驚いた
でも 良いことである
ふと 昨日の朝 着て行く服があるのか母に尋ねた
しかし 短パンにジャージしか持たないとのこと
普通の綿パンとかジーンズの1本も持たないの?
私の問いに母はスーツはある(一体いつのだ‥)
いや スーツなんて着てくる人はいないよ 普段着だよ
ブレザーはあったはず 的外れな答えが戻ってくる
兄に確認すると やはり持っていないと言う
そのやり取りを聞いていた母が急に不機嫌になる
兄に対して何も買ってあげていない、と聞こえたのだろう
実際、何も持たないのだから そうなのだ
自分の服は 箪笥2棹に衣類ケース5個でも入りきれない
何だか兄が粗末に扱われて私も腹が立った
親なのに 障害年金も貰っているのに
吐き出したい言葉を飲み込んだ
そのうちに「じゃ、今から買い物に行こう」と母が言い出す
何を言っているのだろう
「私の誕生日に着る服も要るから」
はぁ〜?? もう開いた口が塞がらない
常に自分のことが最優先なのだ

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