頬を赤く染めた 乙女心
兄がフラッシュバックで興奮した翌日
何事もなかったように
「おはよう」
「お母さん、今日は耳鳴りはどうね?」
と、いつもの兄に戻っていた
自閉症という障害のある兄は
過去にあった出来事が蘇り
その時の嫌な気持ちや辛かった思いが
まるで今起きているかのように感じるのだ
そういう障害特性を母は理解できない
全てを「病気だから」で済ませる
結婚して里帰りした私に
「今、黄色信号だから何も言わない方が良い」
母は、そんな風に兄のことを言っていた
しかし、私が挨拶に行くと普通に穏やかな兄だった
母親に受け入れてもらえない葛藤が兄にはあった
「屁理屈ばかり言う」
「頭がおかしい」
「思い込んだら言うことを聞かない」
そんな言葉が兄を傷つけてしまい
口数が少なくなり、あまり自分の気持ちを話さなくなった
私が母のしがらみに囚われているように
兄もまた、そうなのかもしれない

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