聞き流せない言葉

幼少期の追記

「お前の母ちゃん出べそ」

子供同士の言い争いでよく使われた悪口ですが

流石に今の子供達にこんな事を言っても

は?? って感じでしょうね😆

幼い頃 よく近所の従兄弟の家へ遊びに行った

伯母は私に事ある毎に「お前の母ちゃんは馬○やけん」

そう、言ったものだ

子供心にそれが、母を侮辱していることが理解でき

母にそのことを話したことはなかった

確かに母は貧しい家庭で育ち

満足に学校へも通わせてもらえなかったと言う

叔母は専門学校へ行き、助産師の資格を持っている人で

その時代には珍しい自立した女だった

叔母から見ると知識もなく、手に職もない母は

時代遅れの女に映ったのだろう

「お前の母ちゃんは馬○やけん」

この言葉を言われる度に

本当に私の母親は馬○なのか?

そんな疑問を抱いたものだが

問いかける度胸もなかった

確かに思い当たることはあるのだ

字が書けない(字が下手で書こうとしなかった)

学校の勉強を教えることができない

政治や経済のことに関しては全く知らない

そんなこともあり、子供の頃の私は自分の母親が無知で

何も知らない大人だと思っていた

しかし、大人というだけで子供たちに絶対服従を求めた

母親と違う意見を言おうものなら

「親に口答えをするなんて!」と叱責された

今にして思えば 無知故に子供に馬○にされたくない

そんな思いがあったのだろう

叔母は私にその言葉を言う度にどんな思いだったのか?

幼い子供に対して母親を侮辱した言葉を発し

母親より自分の方が上だとマウントをとりたかったのか

子供の頃は気づかなかった事も大人になり思い返してみると

心無い言葉で子供を傷つける大人は多い

相手は子供だからと思っていても

深く心に刺さった言葉は忘れないものだ

そして言った方が忘れても、言われた方は覚えている

相手が子供だろうと人格を持った一人の人間なのだ

子供同士の「出べそ」は笑って聞き流せるけど

大人からの「馬○」は50年以上経った今でも忘れない

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