母と長男兄は夜な夜な昔話を続ける
繰り返し語られる幼少時の出来事に
また、その話かと感心する
兄は幼い頃、リウマチ性の心臓弁膜症で
長い入院生活を送っていた
泣き続ける兄を膝の上に抱き
夜を明かしたことも多かったと言う
同室の子供たちが命を落としていく中で
母は地元の稲荷神社に願をかける
命を助けて頂いたなら鶏をささげることを約束した
衰弱し意識が朦朧となってていく兄に
医師も覚悟を決めるよう話す
その時、突然
ぎゃー!!
っと兄が叫び意識を取り戻した
後に兄は、赤い鳥居が倒れてきた夢を見たことを話した
その日を境にみるみる回復をしていった
諦めかけていた命が繋がった瞬間
しかし、話はそれでは終わらない😆
兄は退院し家族と一緒の穏やかな生活に戻った
ある日、裏庭で飼っていた鶏が1羽姿を消す
昔は、まだ、野良犬が多かった時代
時折、小動物が襲われたりした
野良犬の仕業だろうと父が囲いを補修する
しばらくすると、再度、跡形もなく鶏が1羽姿を消す
蛇なのか? それにしても立て続けに襲われるのも珍しい
3羽目の鶏が姿を消した時に父は母にそのことを告げた
母は、驚いてすぐに1羽の鶏を稲荷神社に捧げお礼を述べた
その日を境に鶏が姿を消すことは無くなったという
この話は母と兄の間で何十回と繰り返された話だ
それほど母の手を取り、心配をかけ
命を助けてもらった兄だが
一番、親不孝をしたのは
とても興味深い🤣